KATARI

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア “Interview with the Vampire”

Facebook
Twitter

これこそが最も美しいヴァンパイア映画。

吸血鬼を題材にした映画がなぜか無性に好きでついつい手に取ってしまう。
さかのぼると、子供の頃に観たキョンシー映画の影響が大きいのだろう。しかし今回紹介するのは残念ながらキョンシー映画ではない。それはまた次の機会に笑。私の中での最も美しいヴァンパイア映画、それは「インタビューウィズヴァンパイア」。
好きな映画は?と聞かれて数ある中からこれをあげると、意外とポカンとされる。大抵、聞いたことはあるけど観たことはない。え、そんな映画あったっけ?と言われてしまう。しかし、出演者の名前をあげると知らない人はいないはず。トム・クルーズ、ブラッド・ピットから始まり、クリスチャン・スレーター、アントニオ・バンデラス、そして子役としてキルスティン・ダンスト。なんと豪華!今このメンツで映画を撮るなんてきっと不可能だろう。

幻となってしまった出演者

そして、実はもぅ1人出演予定だった俳優さんがいた。それは若くしてこの世を去ってしまったリバー・フェニックス。子役だったころに出演したスタンドバイミーでは彼の魅力はズバ抜けていた。その後も才能と美しさ、ミステリアスな一面に誰もが魅了された。そんなリバーも出演する予定だったのだが、その直前に惜しくもこの世を去ってしまった。彼の代役としてライター(記者)役をしたのがクリスチャン・スレーターだった。
今でももちろん素晴らしい作品なのだが、もしリバーが出演していたら間違いなく知る人ぞ知る傑作になっていただろう。

基本情報


Interview with the Vampire – Original Theatrical Trailer

Released in 1994(US)
Directed by Neil Jordan
Produced by David Geffen, Stephen Woolley
Based on “Interview with the Vampire” by Anne Rice
Music by Elliot Goldenthal
Cinematography Philippe Rousselot
Starring Tom Cruise, Brad Pitt

↓↓↓これより下はネタバレがありますので、ご注意ください!↓↓↓

ブラピがモンスターに!?

ブラピ演じるルイは妻子を亡くし自暴自棄になっていた。そこにトム演じるヴァンパイアのレスタトがルイに目をつけ、人間を捨て仲間になるよう誘惑する。それがこの物語のはじまりである。
人間からヴァンパイアになる過程の表現がまた素晴らしい。血の気が引いて真っ白で美しい肌、見る人を惹きつける不思議な瞳、聴覚嗅覚が研ぎ澄まされ、普段見ていた世界が一変する。ヴァンパイアの世界、それはあまりに美しく、あまりに残酷なもの。レスタトはヴァンパイアの生き方をルイに教えていくが、ルイはずっと人間らしさを捨てきれないでいた。かつては人間だった自分が人間の血を欲し、生き血がなければ生きられないモンスターになってしまった。
こういう苦悩する役をやらせるとブラピは本当ハマり役だなと思う。甘いマスクと少し下がり気味の眉がそうさせているのだろうかー。

天才子役キルスティン・ダンスト

ヴァンパイアである自分を受け入れられないでいるルイに転機が訪れる。ペストの流行により亡くなってしまった母親の傍で泣いている少女がいた。それまで人間の血を吸うまいとネズミの血で飢えしのいでいたルイだったが、少女に寄り添い抱きしめたとたん理性がなくなり少女の生き血を吸ってしまう…。
幼い少女を殺してしまったと嘆くルイにレスタトは提案する。まだ死んではいない。でもこのままなら死ぬだろう、ならばこの子を我々の家族の一員にしよう、と。
これにより、キルスティン・ダンスト演じる少女のヴァンパイア、クラウディアが誕生する。お人形のような容姿と天真爛漫さは周りのものを惹きつけ、幼いゆえに罪悪感を持たないクラウディアはヴァンパイアとしての気質にすぐれていた。レスタトからヴァンパイアとしての生き方を学び、ルイが傍で彼女を支えた。
このクラウディア役のキルスティンだが、映画を観ているこっちまでもが惹きつけられてしまうくらい本当に美少女!見た目は少女のままなのに中身は成長して女性になっていく様を、幼いながら本当に上手に演じている。最近だとキック・アスでブレイクしたクロエ・グレース・モレッツも同様なことが言える。
主役以上の存在感を発揮し、見事にその役を自分のものにしている。彼女たちのように大物俳優たちの中でも埋もれずに異彩を放つ子役がいる映画にハズレはない!

キング・オブ・ヴァンパイア

これまであまりトム・クルーズ演じるレスタトに触れてこなかったが、実は作品の中で一番好きな役である。
トム・クルーズの出演作はいろいろ観てきているがダントツで美しいトムを観られるのはこの作品しかない!もしかすると、初めてこの映画を観た人はレスタトがトムだとは気づかないかもしれない。それぐらい普段の役どころからはかけ離れ、レスタトというヴァンパイアを作り上げているからだ。トムといえばスタントなしにアクションをこなし、決してあきらめず悪から守ってくれるみんなのヒーロー!というイメージが定着している。だが、この作品ではヴァンパイアである自分を誇りに思い、美しさと残酷さを兼ね備えたキング・オブ・ヴァンパイアを熱演している。そんな貴重なトムを拝むだけでも十分に価値がある。

ラストが最高にクール!

インタビューを終え、ルイから逃げてきたライターが車中で録音したばかりのルイのインタビューテープを聴いていると、何者かに突然襲われる。すかさずライターの生き血を吸って肌の色がみるみると蘇る、ブラウスの袖を直しながら器用にハンドルを持って車の体勢を整えるその何者かは…レスタトだった。虫の息のライターに向かって美しい笑みを浮かべながらルイの時のように選択肢を与える。カーステレオから流れているのはローリング・ストーンズの曲をガンズ・アンド・ローゼズがカバーした「悪魔を憐れむ歌」。これがまたカッコイイ!この曲をバックにしてオープニングにも出てきたゴールデンゲートブリッジに吸い込まれて行く車…。
もぅ最後にレスタトもってくるあたりが最高!!だが、ここでまた思うのが、もしリバー・フェニックスがライターの役をやれていたら…レスタトによってヴァンパイアにされる可能性があったのかー!という事。それを踏まえた続編があるならぜひ見てみたかった…。

一応、この映画にも続編というのが存在するのだが、私はどうもしっくりこなかった…。私の知るトム・クルーズのレスタトではなく別の俳優によるレスタトだったことや、ガラリと世界観が変わってしまっていたからだ。うーん。もし興味があれば〜見てみて下さい。ちなみにこの続編は歌手で女優のアリーヤさんの遺作でもあります。最古のヴァンパイア女王を妖艶に演じてらっしゃいます。あと、なぜかレスタトがロックスターになってます笑

まぁ、続編の話は置いといてー。普段とは違うロン毛で色素薄い系のトムとブラピの美しさを堪能できる作品は他にはありませんよ!

Facebook
Twitter